海や魚の話

2023/06/01 12:05


タコという食材は、本来身が柔らかく、それでいて肉厚で、甘みがあるのが特徴です。
一方で、皆さんの印象とは必ずしも一致しないのではないでしょうか?
皆さんが目にすることの多い一般に流通しているタコは、アフリカ沖で水揚げした後、冷凍された状態で数ヶ月かけて日本に輸送されているため、鮮度が落ち、タコ本来の素材の良さがなくなってしまっていることが多いからです。




タコは水分を多く含んだ食材ですが、水分の多いタコを冷凍すると内部に強い圧力がかかりタコの細胞が壊れてしまいます。
細胞が壊れた状態で解凍すると水分と一緒に旨み成分が出てしまい、結果的に “旨み成分の少ないタコ“ になってしまいます。




せっかく美味しいタコの良さを最大限生かせる方法はないか、試行錯誤の末、マルカ髙橋水産はタコを生きたまま加工することで、タコが本来持っている “旨み成分をそのまま閉じ込めたタコ“ を製品化することにしました。
原材料費は高くなりますが仕入れ先を日本国内の北海道や三陸沖で水揚げされるタコに限定して、水揚げされた後は生きたまま輸送し、当社到着後は数日間タコ専用の生け簀で輸送中の疲れをほぐした後で加工しています。




この製品は本来ならば冷凍せずにお届けしたいのですが、お客様が食べたいときに食べられるように配送時には冷凍せざるを得ません。
この相いれない二つの要件を、細胞を壊さない高性能の凍結機を使うことで解決させました。
私たちの活タコ製品は凍らせても、一度も凍らせていない製品とほとんど変わらない美味しさを提供できます。
この独自製法は非常に珍しく一つ自慢させてください。
これはタコの断面図なんですが、真ん中の白い芯の周りにある半透明の部分をご覧ください。
これぞ生きたタコを加工して作った証で、鮮度の証明であり私たちの誇りです。
小さな違いに見えるかもしれませんが、この半透明は私たちが美味しさを追い求めた先にあった勲章なんです。
冷凍タコを加工して作った製品はこの半透明がないので、他のタコと見比べてみてください。